「ジャズピアノは1950年代コピーからが上達の近道」
前回ジャズピアノを練習を色々な要素練習として考えることを説明しました。右手のフレーズだけ取り出して耳になじませる。ベースラインを理解する。左手で出している和音とそのタイミングを理解する。そのための理解しやすい曲と考えてください。
このためには、最初に1950年代のレッドガーランド、ウィントンケリー、ハンプトンホーズがお勧めです。(ソニークラークはちょっと難易度高め)
注意しなければならないのはコピーの対象とする演奏はあくまでも要素練習ですので、オスカーピーターソンやエバンスから入るとと挫折の危険性大 (聞くのは結構!やるのは3年経ってから?)
最初はブルース系を中心にやるのが無難です。ブルースの奥の深さがわかるには時間がかかります。 だいたい大学のジャズ研に入るとジャズブルースばかり1年ぐらいやらされますが、結構正しい。
■参考曲(1)必修曲 「C Jam blues Groovy / Red Garland」 1957
ジャズピアノを初めてやりたい!というかたにはこの曲の耳コピーから始めることを勧めます。譜面も出回っています。できるだけ譜面を使用しないで挑戦してみましょう。ピアノを少しかじったことがある人ならできると思います。これは部品の仕入れ練習。
この曲はC BLUESですが 簡略化したコードは
C F7 C C7
F7 F7 C C
Dm G7 C C
の12小節で基本は3(4)つのコードです。
(よく聞くともっと細かくコード分割していますが最初は無視!)
まず、
1. 最初にテーマをとってみます。音がGのCの二つしかありません。 これはできるでしょう。
2. 左手の和音を理解する前にベースラインもワンコーラス(12節)でいいですから、鼻歌で歌えるように耳で聞いてみましょう(鼻コピ)
さて、テーマが終わったあとの最初のアドリブのワン、コーラス(12小説!)を100回聞いてみましょう。
右手のフレーズが鼻歌で歌えるようになりましたか?(ワンコーラスで十分)
3. さて、いよいよ本題の左手です。テーマが終わったあとの3コーラス目からの左手の和音とそのタイミングを聞いてみましょう。ベースの刻むタイミングよりも少し前に「食った」タイミングで左手が入ってきます。ガーランドの左手のスタイルは極めて汎用性のあるスタイルです。
この曲の最大の目標はこの左手のマスターにあります。
左手のパタンは3通り(4通り)しかありませんが、この12小節をマスターすることで、 大切な宝物を手に入れることができます。
対応する和音は ベースコード C7 (ド) → E B♭ D(左手の三和音)
ベースコード F7(ファ)→ E ♭ A D
ベースコード Dm(レ)→ F C E
ベースコード G(ソ) → F B E
このベースコードに対応する左手の和音のポジションチェンジが極めて少ないところがミソです。
難しいのは左手の裏拍に入れるタイミングです。左手と右手が全く別々のタイミングで入ってきます。
左手の和音のタイミングに合わせて拍手を入れる練習をしてみましょう。
4. この間、左膝で2拍、4拍のリズムをとります。(がんばれ)
5. このスタイルではペダルの使用は厳禁です。
大切なことは全曲フルコピーすることではなく、どこかの4小節または12小節の完璧にタイミングをマスターして自分のものとすることです。タイミング、タッチ、等までこだわってコピーしてみましょう。
要は、自分の部品として消化することですのでおいしいところだけで良いと思います。
この講座は役割は、ジャズピアノの練習を始めると次々に出現する壁の扉をあけることにあります。そのぐらいのつもりでおつきあいください。
ボイシング(テンションコード)の問題なのか、左手の問題か、右手の問題か、コンピングパターン、リズムの問題なのか、右手のフレーズの問題なのか、要素に分けてどこに問題があるかを認識することが必要です。
もっとブルース
(みな私が大昔に取り組んだものです)
珠玉のブルース集といって良いでしょう。 まず、聞いているだけでも楽しい。 次第に、何故1950年代のピアニストから入るのか、 理解できると思います。
この講座の趣旨はジャズピアノの要素練習のためにあります。
繰り返しになりますが、
ベースラインを聞き分ける。
左手のブルースボイシングの基本のパターンをマスターする。(3-4和音)
左手入れるタイミング(コンピング)の基本を押さえる。(最初はガーランドスタイルで)
そのあとで、
右手のリフのパターン、(後になります)、
右手のタイミング(レイドバック)
イントロ、エンディングの技法
譜面や和音の説明が難しい......
■必修曲(2) Kelly Blue (B♭)Kelly Blue / Winton Kelly 1959
55秒~3分半の間はフレーズの宝箱。超美味でほっぺたが落ちそうな右手ブルースフレーズが満載。1ヶ月ぐらいこの曲のコピーをやる価値があるでしょう。ただしレッドガーランドに比べて左手が聞こえにくいので、この曲のコピーはブルースの左手が確立してからのほうがいいかな。
このアルバムのSoftly は意外に難物。
■参考曲(3) Blues The Most(F) Hampton Hawes / The Trio Vol.1 1955
Fのブルースはこの曲が実にコピーどころ満載です。medium slowのブルースのパターン、倍速テンポのアドリブ、ブロックコード(1オクターブに音が5つあるような和音)によるアドリブ。内容的にやさしいところからそうとう高度なことまで。
要コピー1ヶ月
最初の段階でのブルース初歩のさらにおすすめ3曲
■参考曲(4)Straight, No Chaser (Miles Davis/Milestones) in F 1958
C JAM BLUESの Key F版 これもRed Garlandなので。
■参考曲(5)Freddie Freeloader (Miles Davis / Kind of Blue) 1959
Kind of Blueのなかでこの曲だけWynton Kellyが演奏してます。Mode Jazz のCDと言われますが、WyntonはBop phrase弾きまくりです。これ以外の全ての曲がBill Evansで色々な試みを行っているのと対照的。Bopの練習にはお勧めです。
■参考曲(6)Blues(山本剛 / Misty) in F
山本剛の名作Misty の次の曲。Three Blind Mice版の発売は70年代だと思います。(私が大学生の時にコピーしたもの)
日本人のためニュアンスがつかみやすい(と思うけど)左手にも丁寧にコピーしてみましょう。録音がすばらしい。おすすめ。
実に要素練習としてわかりやすいブルースです。
次回もまだまだブルースの話です。
いかにジャズブルースの奥が深いものかという話。
ブルース3年の為にジャズブルース推薦曲 怒濤の9曲!!
「ブルースピアノ」と違います。
あくまでもオーソドックスなジャズピアノの要素練習です。
(再度、私はバップピアニストでもブルースピアニストでもないって...)
おそらく満腹というか胃もたれするかも知れません。 胃薬を用意してください。
濃いなあ。
== まとめ ========================
ジャズピアノは1950年代コピーから入るのが上達の近道
C Jam blues Groovy / Red Garland を100回聞く
ジャズブルースは3年
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このあたり、推薦曲の追加があれば突っ込んでください。
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